「こども環境学会賞2019」こども環境活動賞受賞
子どもの環境活動について、すぐれた研究と活動を推進しておられる 「公益社団法人こども環境学会」が公募する「こども環境学会賞2019」において、JP子どもの森づくり運動「東北復興グリーンウェイブ」(特別協賛:日本郵政グループ)が「こども環境活動賞」を受賞しました。⇒ こども環境学会ホームページ
岩手県宮古市「あかまえこども園」植樹会
「こども環境学会賞」は、こども環境に関する優れた研究、デザイン、活動、施策などを顕彰し、それを広く公表することによって、こども環境の改善に資することを目的に、2005年に創設されました。同賞・活動賞における「東北復興グリーンウェイブ」に対する選考委員からの総評、講評は以下の内容です。 (以下、「こども環境学会」HPより転載)
《(活動賞)総評》
本年度は活動賞への応募総数が2件と過去最低の応募数となってしまいました。しかし、応募された活動内容は過去最高といえるほど、その分野では成果のある実践活動でした。審査結果はどちらの応募についても活動賞受賞となりました。
審査にあたられた多くの方が「従来には無かった目のつけどころをもった活動 で評価に値する」「活動歴は浅いが今後の活動展開に大きな期待がもてる」「この活動を起点に多くの領域への波及的な効果が見込める」等の意見を掲げ、その活動内容について称賛の意を示されました。
応募作の詳しい概要は審査員を代表した方々にお譲りするとして、委員会として何度も申し上げてきた、単にこどもが参加者となった一過性のイベント的な活動ではなく、大学等の教育機関が主体となった活動であっても地域との深い連携が見られ、エビデンスを持った継続性のある先駆的な活動に関する応募であった事を大変価値があると思っています。(活動賞選考委員長 神谷明宏)
全国の参加園から被災地に届いた「どんぐりの絆BOX」
子どもたちが育てた東北の“どんぐり”の苗木が入っています。
《(「東北復興グリーンウェイブ」に関する)講評》
NPO法人子どもの森づくり推進ネットワーク ~どんぐりの絆で育む共生の心~JP子どもの森づくり運動「東北復興グリーンウェイブ」
この活動は、被災地の子ども達が拾ったどんぐりを全国の活動参加園に届け、受け取った園児達が園庭にどんぐりを植えて苗木を育て、その苗木を3年目に被災地へ送り返してもらい、東北の園児達が地元に植樹するというものである。つまり、子どもの手から手へと受け継がれるESD活動である。
始まりは「東日本大震災」の翌年2012年、岩手県山田町で子どもたちが拾ったどんぐりが全国に届けられたことからである。2014年には、山田町に戻った苗木が初めて植樹された。以来、毎年100本の苗木が山田町に届けられている。2019年10月現在、この活動は全国で94園の保育所・幼稚園・こども園に広がり、毎年約5000名の子ども達が活動している。
この活動への授賞は、これまでの継続性を評価するだけでなく、今後の継続を期待するという意味も込められている。参加した子ども達が大人になり、東北の復興に自らの手で参加できたことを実感する日が来ることによって、本当の意味で幼児期からのESD活動の成果が生まれるのではないだろうか。 今後、さらなる継続と活動の広がりに、大きな意義があると考え、期待するものである。(活動賞選考委員 北方美穂)
「東北復興グリーンウェイブ」の活動は、これまでも多くの環境活動アワードにおいて顕彰されてまいりましたが、「こども環境学会」さんからのようなアカデミックな団体からの評価は、活動の信頼性が担保されたものとしてありがたいことと考えます。
全国の参加園から、東北の“どんぐり”の苗木が、
郵便のネットワークを通じて被災地の子どもたちに届けられます。
これまでの受賞も含めて、今回の受賞も、活動参加園、ご支援・ご協力いただいている関係の方々と共 にいただいた評価です。ご共有いただけると幸いです。
「東北復興グリーンウェイブ」の活動は、全国の保育園(所)、幼稚園、こども園の子どもたちが、東北の“どんぐり”を育てて植える活動を通じて「どんぐりの絆」で結ばれ、「環境の心」の基盤となる「共生の心」を育むことを目指す活動です。事務局では、受賞を契機に、今後もさらに活動を積極的に推進してまいります。
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