全国集会&研修会2019(滋賀大会)開催レポート
2019年2月7日(木)、8日(金)の両日で、滋賀県彦根市の「彦根キャッスルリゾート&スパ」ホテルにおいて『JP子どもの森づくり運動「全国集会&研修会2019」滋賀大会』(以下、集会と表記)が開催されました。集会は、 年に一度、JP子どもの森づくり運動(以下、運動と表記)の参加園と保育関係者が集い、交流と情報交換を行うことを目的に開催されました。 運動は、2018年に活動10周年を迎えました。2019年の集会では、これまでの10年間の活動を踏まえ、これからの10年の活動の方向性を考え、協議する重要な集会となりました。
・主催:NPO法人子どもの森づくり推進ネットワーク(子森ネット)
・共催:滋賀県私立保育園連盟
・特別協賛:日本郵政グループ
・協力:全国私立保育園連盟 滋賀県私立保育園連盟 大谷保育協会 こども環境学会、他
・参加者(数):保育園、幼稚園、こども園職員、及び保育団体関係者(40名)
開会式
まずは開会式が行われ、主催団体の子森ネットより岡村理事と共催団体の滋賀県私立保育園連盟の谷口氏にごあいさついただきました。
子森ネット 岡村 斉 理事
滋賀県私立保育園連盟 谷口瑞石氏
基調講演
基調講演の講師は、こども環境学会代表理事であり、東京環境デザイン研究所会長の仙田満氏にお願いしました。仙田先生は、子どもが健全に育つ遊びの空間について様々な研究成果をあげておられ、著書も多く出版されておられます。
ご講演では、運動のこれからの10年の方向性を考えるうえで、子どもの体験活動の原点である『こどもとあそび』と、その意欲を喚起する空間について、環境デザインのお立場から問題提起をいただきました。
仙田先生のお話しは、主に、以下のテーマです。
1.こどものあそび環境
2.あそびの意欲を喚起するデザイン
3.困難をのりこえる成育環境
4.こども第一運動
ご講演の内容については、仙田先生の下記近著をご参照下さい。
パネルディスカッション
パネラー(左より)子森ネット清水(コーディネーター)、崇徳保育園谷口園長、大野幼稚園藤園長、若久青い鳥保育園岡村園長、こども環境学会仙田氏、飯田女子短大田中氏
ここでは、仙田先生の基調講演で提起された「こどもとあそび、そのあるべき環境」をテーマにパネラーの諸先生と深掘りし、参加者の保育に役立つヒントを一つでも持ち帰っていただくことを目指しました。とはいえ、限られた時間でのことなので、コーディネーターの権限で、以下の三つのテーマに絞らせていただいきました。
1.自然体験活動を、自然の中でのあそびという観点から捉えなおして、あらためてその意義について
2.子どもたちのあそびや体験の意欲を喚起する園庭の改善について、今できること
3.子どもの森づくり運動を含む、これからのあうべき体験活動について
会場を巻き込んで、活発な意見交換が行われました。
実践講座1:幼少期の自然体験活動で大切にしたいこと
講師は、飯田女子短期大学 幼児教育学科 田中住幸氏です。田中先生には、JP子どもの森づくり運動10周年記念で昨年から取り組んでいる『保育で本当に役立つ自然体験プログラム集』のプログラム提供と監修をお願いしました。
今回の講座では、同プログラム集作成の際に全国の有志園で行われた自然体験プログラムトライアルを題材に「 自然体験活動プログラムトライアルから学んだこと 」をお話しいただきました。
田中先生のお話しの内容は、今年度末にお届けできる予定の、JP子どもの森づくり運動10周年記念『保育で本当に役立つ自然・環境体験プログラム集』に掲載されておりますのでご参照下さい。
実践講座2:チームビルディング
講師は、チームビルディングのファシリテーターである子森ネットの塚原事務局長。 保育者のチーム力を高める「良いチーム創り」の極意 をテーマに、アクティビティを含めた講座が実施されました。
懇親会
夜には懇親会が開催され、参加者相互の交流や情報交換が行われました。
防災講座
二日目は、恒例の消防庁アドバイザー鎌田修広氏による、『本当に子どもの命を助けるための』防災講座です。今年の講座では、「津波の災害にあった幼稚園のバス」「増水した川で流された園児」「浸水した園舎に取り残された園児」など、いくつかの災害事例をもとに実践的な講座を実施していただきました。
災害時支援協定
災害時にトライアングルの関係で協力し合う支援協定の第4弾が、今年も、滋賀県「崇徳保育園」谷口園長、岩手県「赤前保育園」小関園長、北海道「三和新琴似保育園」で締結されました。
閉会式
最後に、子森ネット藤理事のあいさつで今年の集会が終了となりました。
オプション講座
集会開催後、オプション講座として彦根城界隈をフィールドとする、自然体験講座(講師:田中先生)と彦根城見学ツアーが開催されました。