NPO法人子どもの森づくり推進ネットワーク

JP子どもの森づくり運動「全国集会&研修会2020」開催レポート

2020年2月13日(木)、14日(金)の両日で、JP子どもの森づくり運動「全国集会&研修会2020 in 東京」(以下、集会と表記)が開催されました。

今回の開催テーマは、今、世界的に機運が高まっている「園庭緑化」です。園庭を、子どもたちの単なる運動の場ではなく多様な自然の体験を提供するフィールドとして改善していこうという活動です。これまで園庭緑化に関心がありながら、最初の一歩が踏み出せなかった保育者に対して、そのきっかけを提供できればと思っての開催です。

「園庭緑化」の活動では、既にすぐれた研究や実践が行われています。今回の集会では、そんな研究や実践の中で代表的な方々にご出講いただき、参加者の方々に基本情報をご提供いただきました。以下、レポートです。

<開催概要>

1.日時:2020年2月13日(木)13:00~18:00 2月14日(金)9:00~12:00

2.会場:「大田区産業プラザPIO」東京都大田区南蒲田1丁目20-20

3.主催:NPO法人子どもの森づくり推進ネットワーク(子森ネット)

4.共催:JP子どもの森づくり運動「全国集会2020」実行委員会(幹事園:新宿こだま保育園)

5.特別協賛:日本郵政グループ

6.後援:(公社)こども環境学会 国際校庭園庭連合日本支部

7.協力:保育環境研究所ギビングツリー(公社)全国私立保育園連盟 (公社)大谷保育協会  

8.参加者数:保育園、幼稚園、こども園職員、及び保育関係者 60名

<一日目>

開会式

主催者・共催者あいさつ

開会式では、まず、子森ネット理事の「若久青い鳥保育園」岡村園長から主催者としてのあいさつがありました。

今年の「集会」の準備や運営には、JP子どもの森づくり運動の東京の参加園である社会福祉法人呉竹会の皆さんにお世話になりましたが、法人を代表して、「新宿こだま保育園」の福島先生に共催者としてあいさついただきました。


ご来賓ごあいさつ  

今回の集会は、公益社団法人「こども環境学会」さんにご後援をいただきました。そのご縁で、同法人太田事務局長様にごあいさついただきました。

基調講演:園庭緑化の意義について

保育環境研究所ギビングツリー代表  新宿せいが子ども園 園長 藤森平司先生

以下、主な講演項目です。
〇五感を刺激する園庭
〇園庭・屋外での保育の可能性
〇園庭・校庭の条件
〇環境設定の上で留意したいこと
〇フレーベルが考える園庭
〇海外の園庭・校庭
〇森や自然は可能性を無限に秘めた最高の保育環境、その他

藤森先生のご講演は、いつも新しい刺激を与えてくれます。お忙しい中、日程をご調整いただき、本当にありがとうございました。

講演2:園庭緑化の現状について

東京大学発達保育実践政策学センター  園庭調査研究グループ  園庭研究所 代表 石田佳織氏

以下、主なご講演項目です。
〇園庭の物理的環境と子どもの育ち
〇自然の中での子どもの育ち
〇園庭や地域の物理的環境
〇樹木や草花など植物環境について
〇樹木や草花など植物環境について、工夫されている環境構成や使い方
〇樹木や草花など植物環境についての課題
〇安全・危険について

石田佳織さんは、東京大学発達保育実践政策学センター  園庭調査研究グループとして、これまででもっとも大がかりな園庭調査研究に携われました。その豊富な研究事例を背景に、より良き園庭づくりのための実践的な知見をお話しいただきました。石田佳織さんのお話しの詳細は、下記著書をご参照下さい。⇒「園庭を豊かな育ちの場に」

講演3:自治体による森と自然を活用した保育・幼児教育の新たな潮流 ~園庭緑化の推進に向けて~

公益社団法人 国土緑化推進機構 政策企画部 政策企画課長  木俣知大氏

〇「森と自然の育ちと学び自治体ネットワーク」
〇先進国における「森と自然を活用した保育・幼児教育」
〇我が国の各種要領・指針における自然
〇 先行県等による取組の動向
〇今後の展望

木俣知大さんは、これまで自然保育や森の幼稚園の環境づくりについて、行政における様々な仕組みづくりに携わってこられました。「園庭緑化」については、これからも国や自治体行政との連携が必要と思われ、その最前線の情報をご提供いだきました。さらに、「緑の助成金」についてもお話しいただきました。助成金についての詳細はWEBをご参照下さい。

実践講座:幼児(少)期の自然・環境体験講座

ネイチャーゲームインストラクター  子森ネット 事務局長 塚原 茂

一日目の最後に、JP子どもの森づくり運動が、今、何故「園庭緑化運動」に取り組むのか、その基盤となるJP子どもの森づくり運動の取り組みと活動の意義、さらに、これまで取り組んできた自然体験講座の実践事例としてネーチャーゲームについて発表させていただきました。

<二日目>

基調講演:園庭緑化の意義と国際的動向

国際校庭園庭連合日本支部 代表 鶴見大学短期大学部 保育科 准教授 仙田考先生 

〇子どものあそび環境の現状と課題~自然とのふれあいの意義
〇園生活における自然とのふれあいの体験と環境
〇園庭緑化の可能性ーなぜ園庭はこども達に重要?
〇あそび緑化のすすめ
〇園庭改善のプロセス

仙田先生、及び「国際校庭園庭連合日本支部」とは、今回の「園庭緑化運動」のオブザーバーとして連携させていただいております。先生には、園庭緑化の意義と取組みについて、海外での事情を織り交ぜてお話しいただきました。

事例報告:園庭里山化

東京ゆりかご幼稚園 園長 内野 彰裕先生

「東京ゆりかご幼稚園」の内野園長先生には、JP子どもの森づくり運動の当初から活動にご参加いただきました。今回は、「園庭里山化」をテーマに、その素晴らしい園庭について事例をご報告いただきました。参加者には、とても刺激的な事例発表だったようで、多くの参加者から園庭見学の希望がありました。後日、実現したいと思います。


最後は、子森ネット理事「大野幼稚園」藤園長の閉会の辞で、今年の集会は終了しました。本当に多くの方にご参加いただき、まことにありがとうございました。また、来年お会いしましょう。

集会を終えて

JP子どもの森づくり「園庭緑化運動」では、「園庭緑化」の実践活動として、2020年度、全国3園でのモデル事業に取り組みます。また、今回の集会の参加者からも、取り組みへの多くの関心と参加申し込みをいただきました。モデル事業や運動の成果については、一年間の宿題として、また来年の集会で報告させていただきます。よろしければ、来年も是非、お集まり下さい。


多様な自然体験活動は、子どもたちの「生きる力」と「環境心」の源泉です。 JP子どもの森づくり運動では、今回の集会を契機に、ご参加いただいた保育者、研究者、実践者の皆様と共に、「園庭緑化」の大きな潮流づくりを目指したいと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。

末筆ながら、今回の集会開催について、募集や運営にご協力いただきました皆様、また、お忙しい中ご出講いただきました講師の皆様に心より御礼申し上げます。本集会が、ご参加いただきました皆様のより良い園庭づくり、そして保育づくりに、少しでも役立てたのであれば幸いです。

子森ネット スタッフ一同


⇒ アンケート集計報告


大阪市「茨田第2保育所」園庭風景:限られたスペースを有効に活用されておられます。

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